「中国語のリスニングがなかなか身に付きません。ゆっくりで簡単な内容だとわかるのですが、速いスピードだと全くわかりません。どのようにして聞けるようになりましたか?」について聞かれて
こんにちは。舞草亮です。
上海に戻りました。質問ありがとうございます。
先にお伝えしますが
他の記事と内容がおもいっきりダブってます。
本質的な部分は変わらないのでどうしても似た内容になります。
あと、私のレベルもまだたいして高いレベルではありません。
それでは以下お答えします。
・身に付かない理由
身に付かない一番の理由は方法ではなく量です。
つまり勉強時間が足りていません。
多くの人は、努力が足りていないのに簡単な方法を探す傾向にあります。
簡単な方法やスペシャルな方法はないので“普通の方法”で努力し続けるしかありません。
・必要な量(勉強時間)
どのくらいの勉強時間が必要か気になりますよね?
だいたいこんな感じです。
HSK6級180点レベル(トータル勉強時間2000時間)
HSK5級180点レベル(トータル勉強時間1000時間)
HSK4級合格レベル(トータル勉強時間500時間)
HSK3級合格レベル(トータル勉強時間250時間)
例えばHSK4級にギリギリ合格した人がHSK5級180点レベルに到達するには
1,000時間(5級180点)-500時間(4級合格)=残り500時間となります。
他人が進める無数の“よい勉強方法”に惑わされず、まずはこの量をクリアする必要があります。
ちなみに上記の勉強時間は私が勝手に思い付きで言っている時間ではありません。10年前に私が中国語の勉強を始めた時に「いつ自分が自分の目標レベルに到達するのか客観的に知りたい」と思いネットで調べたら当時のHSK(旧HSK)の級とリンクして勉強時間が明記されている情報を見つけました。
「何年」では、同じ1年でも人により勉強時間が異なるので全然参考になりません。ですから「何年」ではなく「何時間」勉強すればいいのか知りたかったので、この情報を見つけた時はすごくうれしかったです。
また実際に自分がそのレベルに到達した時にはだいたい上記の時間でした。旧HSKとくらべ今の新HSKはかなり簡単になっている感じなので、今なら実際の勉強時間はもっと少なくて済むかも知れません。しかし、多い時間を想定しておく分にはマイナスにならないと思います。
※一般的に量(勉強時間)に関して漠然と勉強している人が殆どです。
・時間配分(リスニングに100%)
私の場合は「聞いていない時間」「発音していない時間」は勉強時間にカウントしません。つまり中学校で習った英語のように文法や読解をやる時間は勉強とはみなしていません。スポーツで言うとスポーツに関する本を読んでいるのと同じ位置づけです。非常に重要ではありますが体を動かして練習しないと全く身に付きません。
一般的に日本人の勉強時間の配分は文法や読解、作文に時間を使いすぎです。リスニングが弱いにも関わらず一生懸命に文法や読解を勉強している傾向にあります。科目別の得意不得意にもよりますがHSK4級レベルくらいで文法の基礎知識が一定レベルあれば勉強時間の100%をリスニングに使ってほぼ問題ありません。「リスニングを勉強しすぎた」と思うことはありません。
私は文法書は1冊しか勉強していません。最初に勉強しただけです。しかも、中学英語のように完璧にしようと努力すらしていません。完璧にするのは悪いことではないのですが、そこで止まってしまうのは良くありません。
80:20の法則に似ているのですが、80%身に付けるのに20%の時間が必要で、残りの20%を完璧にするには80%の時間が必要となります。この数字は正確ではありませんが「細かい部分を完璧にするよりは、細かいことを気にしないで大量にこなす方がたくさん身に付く」という意味です。
ちなみに私が使用した唯一の文法書は相原先生の「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」です。今なら他にも良い文法書があると思います。
最初の例に戻りますが
HSK4級にギリギリ合格した人がHSK5級180点レベルになるには
1000時間(5級180点)-500時間(4級合格)=残り500時間
⇒500時間全部をリスニングにあてる。
これが私にとっての正解でした。
時間は無限にあるわけではないので優先順位をつけて勉強することが必要です。
ちなみに、リスニング以外はぶっつけ本番です。
それでもテストが終わると「もっとリスニング勉強しておけばよかった」って感じるものです。100%リスニングに時間をあてているので時間配分に対する後悔はありません。単純に「もっと努力できた」という思いです。他の科目とまんべんなく勉強していれば間違いなく「時間配分に対する後悔」が発生します。
一番よくないのは、毎回リスニングの点数が一番低いにもかかわらずリスニング以外の勉強もやって同じ結果を繰り返すことです。リスニング以外の勉強はリスニングが科目別で一番点数が高くなってからで全く問題ありません。
・リスニングの勉強方法
ここでやっとリスニングの勉強方法についてです。
リスニングの前提は「自分で発音できるスピードは聞き取れる。」です。
つまり、リスニングで聞き取れるようにするには自分自身がそのスピードで発音できるようにすればいいだけです。
当たり前過ぎますか?
具体的には音読やシャドーイングで発音します。
テスト前はリスニングの問題もやります。
普通の方法です。
リスニングで一番ダメな勉強方法は「発音しないでリスニングしかしない勉強方法」です。聞くのも大切ですが、発音しないと聞き取れるようになりません。「インプットをできるようにするにはアウトプットをする。アウトプットできるようにするにはインプットをする。」です。
「発音できるようにするにはたくさん聞く」「聞けるようにするにはたくさん発音する」しかありません。最初はゆっくりしか発音できなくても何度も何度も繰り返し発音するにしたがって速いスピードで発音できるようになります。スポーツと同じで何度も何度も同じことを繰り返すしかありません。文章や会話が長い場合は、短く区切って発音練習することをおススメします。
すごく時間がかかり大変そうですか?
その通りです。
めんどくさくて、地味で、時間がかかって、大変です。
多くの人は必要な勉強量(努力)のイメージが少なすぎます。
・マインド(身に付けるための大前提)
一つの言語を身に付けることが簡単なわけがありません。
ですから「心の準備ができていない人」や「目標がない人」はみんな途中であきらめてしまいます。簡単に周りに流されます。留学に行っても中国語を片言しか話せないまま帰国する人が殆どの理由もここにあります。楽しいだけで身に付くほど甘くはありません。逆に「心の準備ができている人」や「目標がある人」はあきらめません。周りにも流されません。独学でも身に付けます。言い訳をさがしません。
やると決めているから心がぶれません。
私も修行中ですが何度も壁にぶつかりながら、それでも前に進み続けてはじめて身に付くものだと考えています。ですから最初に「絶対やる」と決めることが大切です。それがないと大多数の人のように壁にぶつかると簡単に心が折れてしまいます。
最初に必要なのは「やる」「絶対やる」「できるまでやる」と決めることです。
<まとめ>
・量(勉強時間)をクリアする。
・勉強時間を100%リスニングにあてる。
・速いスピードで発音できるようにして、速いスピードを聞き取れるようにする。
・特別な勉強方法はない(音読、シャドーイング)。
・勉強に対して甘い考えをもたない
・やると決める
いかがでしたか?
少しは参考になりましたか?
学習環境、性格、考え方、レベル、目標、得意分野や不得意分野、今まででの勉強方法や勉強時間など何もわからないので正直、個別のアドバイスができません。そのため「単なる舞草亮の個人的な考え」「一方的なアドバイス」となります。必ずしも参考になるとは限りませんが、少しでも中国語の勉強にプラスになれば幸いです。
それでは中国語の勉強がんばって下さい。
応援しています。
舞草亮