【相手にとっての消費を投資に変える】付加価値について
消費と投資の違いを意識していますか?
消費とは捨てるお金。
投資とは投げて返ってくるお金。
多くの日系企業が自社商品に付加価値を出せないため価格競争となり、ライバルである中国系企業に苦戦しています。しかも、年々「質」に関しても差がなくなりつつあります。
もし仮にあなたが紙を販売する営業マンならどうすればいいでしょうか?名刺やパンフレット、ギフトに使う紙箱などに使用する紙を商品としています。あなたが名刺を販売するわけではなく、名刺屋さんやデザイナーに紙を販売します。中国系企業の紙に比べると質もデザインも上ですがそこに価値を感じる顧客を見つけられません。なぜなら紙に使う費用は消費であり、顧客は「捨てるお金」と考えているからです。これでは顧客が安い方がいいと考えるのは当然です。このような場合どのようにして付加価値をつければいいでしょうか?
・消費を投資に変える
紙代は「消費」ではなく「投資」だと顧客にイメージさせるのです。
多くの人は質がよいので付加価値があると漠然と理解しています。そうではなく、もっとはっきり「安い紙を使うと消費となり紙代は捨てるお金。自社の高い紙を使うと投資であり紙代は何倍にもなって売上として返ってくるお金。」と相手にイメージさせるのです。もちろん、自分自身が消費と投資の違いをはっきり認識できていなければできない提案です。
例えば、名刺などでは名刺屋さんやデザイナーに「そんな安い考えでは、安い顧客しか来ない」ということを教育します。それと同時に、すでに付加価値を感じている顧客を探す必要があります(ターゲットを絞って集客する)。実際には、営業マン自身が顧客と同じレベルの考えになっているケースが多いので、紙のプロとしてレベルの高い提案をできるように自分自身のレベルを上げる必要があります。
簡単な例では
「通常と異なる質の名刺なので相手が話題を振ってくれて話がスムーズにスタートする」「名刺にこだわりを持っているので他も全てこだわりをもって仕事をしている」
「安かろう悪かろうを提案する企業ではない」ということを顧客である名刺屋さんやデザイナーも堂々と言えるように教育するのです。
上記は単なる一例にすぎません。
しかし、言い方は別として以下のことを相手に理解させます。
「現在使っている名刺屋さんはそのような売上に貢献できる(消費を投資に変える)提案はないのですか?私なら紙に関することなら無限に提案でき御社の売上に貢献できます。」「付加価値を理解していない他社とは紙も提案もレベルが違う(売上に貢献できる)」「業務のように言われたものだけを作る会社ではなく紙のプロである私しか提案できないことがある(売上に貢献できる)」「あなたのライバル会社に提案する可能性もある(ライバルの売上に貢献する可能性)」などです。
しかし、これらの提案は相手に「消費と投資の違い」を認識させた後じゃないと効果がないので必ず先に違いを説明して下さい。
他社の紙=単なる業務の消費(捨てるお金)
自社の紙=営業で使える投資(増えて返ってくるお金)
このようにイメージさせます。
ここで注意です。
顧客の考えを消費から投資に変えることができても「それを実現するには自社の紙が必要」という状況を作らないとアイデアだけ持っていかれて他社の紙を使う可能性があるので必ず自社独自の強みがある紙で提案して下さい。
マーケティングができているなら市場でニーズのあるものを生産して在庫としてもって置くのもいいかも知れません。在庫リスクは発生しますが、「小ロットに対応できる」「短納期で対応できる」「ターゲットを決めて営業できる」等のメリットがあります。特にターゲットを決めて営業するというのは非常に効果的です。武器となる商品がすでに手元に在庫としてあるのでそれを持って訪問します。
例えば、ケーキの箱を作っている会社へは「紙の相談何でもできます」ではなく「高級誕生日ケーキ用の箱紙ならNo.1(在庫あり)」という武器です。誕生日ケーキは「食べてうまい」を目的にはしていません。プレゼントする相手に喜んでもらうことが目的です。例え紙が高くても、捨てるのがもったいないくらいのレベルの紙質やデザインで箱を開ける前から相手が喜んでくれるのであれば年に1度の記念日のためにお金を惜しまない客層は必ずいます。消費を投資に変える考え方だけ身に付ければアイデアは無限に広がります。特に、いわゆる「上の層」をターゲットとする場合は常に必要です。
それでは上海の日系工場・中国系工場の新規開拓がんばって下さい。
応援しています。
舞草亮
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