こんにちは。舞草亮です。
今回は「中国の病院のもったいないリピート戦略」についてです。
今日、中国の病院に行って中医でマッサージと針をしてきました。
首の後ろの筋肉が慢性的に硬い(こり)ためです。
1番の原因は運動不足だと思います。
1回200元。終了。それだけです。
私は1回だけでも特に不満はありません。
しかし、これだけでは病院側は非常にもったいないです。
なぜなら私はリピーターになる可能性が非常に高かったからです。
病院の患者も、商品やサービスを購入するお客さんと同じです。
病院側(売り手)は「顧客にとって何が最も必要か」を考える必要があります。
間違っても押し売りしてリピーターにすることとは違います。
私は医者ではなく全くの素人です。
しかし、自分の首が一度で完璧に治らないことは知っていました。
だとすれば
「原因は何なのか?」「今回どのくらい良くなったのか?」「どうすれば完璧に治るのか?」「自力で治すことは可能か?」「治した後の生活習慣で気を付けることはあるか?」「今、治さないと10年後どうなるのか?」「上海で生活している日本人には多い傾向なのか?」「同じ症状の患者への治療実績は?」等々の話を聞きたかった部分はあります。
そうすれば病院の先生は「単なるマッサージや針をする人」ではなく、「予防や治療のために、患者が気がつかないことを病気になる前にアドバイスするプロの医療コンサルタント」という付加価値がついた中医となります。
この場合、「患者が病院の先生の言うことを聞く」という本来あるべき姿に近づきます。プロにきちんと再来院することのメリットを教えてもらえばリピート率は一気に高まります。もちろん、ウソはダメです。必要なのは本当に患者(顧客)のことを第一に考えたアドバイスです。
この病院のリピート戦略は「1回200元」が「5回分のチケットを購入すると1回150元」という安売り戦略のみでした。
今回の場合、きちんと説明を受けたうえで
「5回でほぼ治ります」「チケットがあまっても同じ会社の人でも使えます。会社の保険も使えます。出張の方も大丈夫です。」ともし言われれば、5枚チケットを買って損することがないどころか、会社の同僚に紹介することも自然に考えます。1回より5回の方が当然、身体にとってもいいですし、全て会社の保険が使える可能性があります(私は自費)。また、予防や治療に対する知識を提供することで似たような症状の人に一生懸命に説明をして病院自体が話題になる可能性もあります。
他にも「おまけ的に5分だけ頭のマッサージ(今回の主たる目的の首以外と言う意味)」等を行うことで、患者(顧客)自身が気づいていなかったニーズに気づき周辺商品を購入(この場合、頭のマッサージ)する可能性も出てきます。
頭であれば「気持ちいい」だけでなく「疲れが取れる。仕事の効率が上がる。ミスを未然に防げる。」「血行が良くなる」「育毛効果がある(?)」等、そのマッサージで本当に得られる効果をプロとして伝えればウォンツ(ほしいもの)からニーズ(必要なもの)に変わり成約率も上がります。
このような説明は患者(顧客)にとっても非常にメリットがあります。特に上海では空気や食事が異なるだけでなく、生活リズムや精神的な疲れも日本と異なります。しかし、健康に関しては日本にいた時と同じで病気になるまで意識しません。
もし、有益な情報を提供してもらえれば、選ぶかどうかは患者(顧客)の自由ですが、選択肢があるだけでも助かります。また、もしリピーターになればお互いにメリットがあります。
情報を提供するだけでリピーターになるのです。
他の病院が提供できない付加価値をしっかり提供できれば、社員の健康診断という団体商品やその他の商品も、日系企業から依頼される可能性もあります。そうすれば日本人の来院数を増やすことにつながります。
いつも中国企業や中国の病院で「もったいない」と感じるのは付加価値となる役に立つ情報が、多くの企業や病院で既にあるのに活かされていないということです。その原因はいくつもありますが、その一つは病院(企業側)が仕組みを意識しないで現場任せにしているからです。
特にこの病院は日本語が通じる総合病院でマッサージに保険が使えるので売り込む商品としては非常に強みがありました。
このような例は病院だけではなく、全ての業種に当てはまります。
それでは上海の日系企業・日本人顧客の新規開拓がんばって下さい。
あなたを必要としている人が必ずいます。
応援してます。
舞草亮
Copyright © 2015 by 舞草亮 All rights reserved
<メルマガ>
【中国語修行】
~独学HSK6級~
<メルマガ特典>
・『独学HSK6級』『中国語の勉強』を10回の音声で解説。
・以前、有料で販売していた『中国書籍の版権を購入する方法』PDF。
・メルマガ限定コンテンツは地味に増やしています。
『中国語の勉強』『中国語を活かした仕事』『中国での仕事』に関わる人を舞草亮的な情報発信で上海から応援できればうれしいです。