【上海の日系企業を新規開拓する】集客編
~お客さんから問合せがくるように情報を発信する~
・飛込み(チラシを持って、飛込みで日系企業を訪問する)
集客というより営業ですが知らない人に情報を知らせるので集客編に入っています。
飛込みは私の得意手段です。日本で不動産売買仲介でも飛込みでけっこう売りました。また、上海でもけっこう売上を作りました。勘違いしないで頂きたいのは、飛込みは「必要ない人に強引に売るスキル」ではありません。「必要な人を探して情報を届けるスキル」です。ですから、飛込みには見込み客を見つかるまで探し続ける心と行動量が必要となります。
飛込みの特徴としては「リスト不要」「アポ取り不要」「てっとり早く多くの人に会える」「会えなくてもチラシや資料を渡せる」「数をこなすと必ず必要な人に会える」「会って説明ができる」「名刺がもらえる(リストにプラスできる情報がある)」「他社があまりやらない」「虹橋古北エリアの日本企業が集中しているオフィスビル街はほぼ全ての会社を2週間で網羅できる」等があります。
逆にマイナスの特徴としては「オフィスビルは飛込み禁止」「テンションが維持できない」「他のスタッフにやらせるのは難しい」等があります。
できれば反響営業の方が濃いお客さんが自分から問合わせて来てくれるので理想です。しかし、やることをやっても目の前にお客さんがいない場合は、飛込み訪問も有効です。っていうか新規開拓としては手っ取り早くてわかりやすい方法です。
例え日本人の駐在員に会えなくてもチラシさえ渡しておけばチラシが分身となり営業してくれます。必要であれば問合せがくる可能性もあります。
チラシや資料を渡すときはA4クリアファイルに資料と名刺をはさんで渡します。名刺をはさんだ方が、人が届けてくれた感じとなり心的距離が近くなります。またきれいなA4クリアファイルを使うことで最初に入口まで来て受け取ってくれた中国人の方が商品チラシなどを捨てずに日本人の誰かに渡す可能性が高まります。また、チラシは捨てても透明クリアファイルは使う可能性があるので、できれば社名やロゴが印字されている方がプラスです。
飛込むときはまずビルの最上階からスタートします。ワンフロア―全て終わったら階段(だいたい非常階段)で一つ下の階に下ります。また飛込みをスタートしてワンフロア―終われば下の階におります。その繰り返しです。
私の場合、1時間も飛込んでいれば飽きてしまいます。資料も20社分とかバッグに入れるとかなり重くなります。1時間で10社くらい、午前と午後で1日合計20社、2週間くらいで200社くらい訪問。飛込んだ時には会えず、資料やチラシを他の人に渡しただけでも、1%の確率で問合せがくるなら200社飛込めば2社は問合せがきます。ただこの問合わせはすぐに来るわけではないので種まきみたいなイメージです。実際には数件はその場で進んだ話になります。
オフィスビルは飛込み営業をどこでも禁止しています。警備員に見つかれば外に出されます。まじめに警備員が仕事をしていれば監視カメラで見つかります。主だったオフィスビルを全て訪問し終えるまでに数回は警備員に捕まりビルの外に出されます。上海の虹橋オフィス街では国貿(国際貿易センター)は比較的まじめに警備員が仕事をしています。日系企業が集中していて断トツで最も効率的に飛込めるオフィスビルです。上から下まで全て飛込むまでに平均2回は捕まります。他のビルではあまり捕まりません。
このような事情もあり、もともと少しハートが必要な飛込み訪問を上海という海外の地で行う日本人は殆どいません。日本人でオフィスビルを上から下まできちんと一件一件しらみつぶし的に訪問し次のオフィスビルへ行く人は聞いたことがありません。
でも日本のようにむげに断られることは皆無です。日本と比べ上海はゆったりとした時間が流れています。オンとオフの緊張感の違いはあまりありません。そのような状況で同じ日本人が飛込みで自分の職場に来たのに嫌悪感を持って断る人はいません。企業は上海に事務所があるレベルですから日本を代表する大手企業です。でも10件に1件はアポなしで応接に通して話を聞いてくれます(というかお互いに世間話)。日本ではアポ取るのも大変ですからこのような上海の状況は想像しにくいですね。しかも、日本のオフィスビルなら飛込んだらすぐに止められます。上海ではインターホンを押した後、最初に出てきて対応してくれる中国人のスタッフの方もだいたい親切です。
この飛込みも確実に効果があります。時間帯効果を考えると確実にプラスになります。しかし、飛込みは自分の分身を作りにくいです。自分以外の他のスタッフが進んで飛込みをする可能性はゼロです。誰もやりたくありません。
でもやはりチラシやサイト等で問合せを取る方が効果的です。特に問合せさえあれば対応できるスタッフがいる場合は、可能な限り反響をとることを優先させるべきです(自分しか対応できないケースも上海では多々ありますが)。
飛込みに関しては他のスタッフを同行させることは難しいです。非常に目立ちビル側に止められる可能性が高まりますし、お客さん側も警戒心が強くなります。
飛込みはテレアポ以上に他のスタッフがやれるように育てるにはハードルが高いです。というか上海では正直難しいです。心の面と、テクニックの面と両方で難しいです。しかも、外に行ってサボる可能性もあります。可能な限り「集客は会社」「営業はスタッフ」のように完全にではなくても分かれている方が理想的です。お客さんを探すのに具体的にどうすればいいのかわからない会社が上海には非常に多く存在します。ですから集客ができる会社はかなり有利になります。
何度も言いますが上海では日本のように何でもそろっている状況ではありません。「困っている人」「探している人」「必要としている人」が普通の商品であれば必ずいます。飛込めば100%早い見込み客が見つかります。
最後になりますがすごく大切なことをお知らせします。
「やり方を伝えても誰も実際には行動しません。」
集客や中国語勉強も同じですが「知る」と「行動する」にはものすごく大きな壁があります。知っていても誰もやりません。飛込みはテレアポ以上に持っていて損はないスキルです。100社や200社など絶対数をこなすことがテレアポより短期間で可能で、見込み客を早く探せるためです。ですから、もしやったことがなければ実際にどんな感じか経験して学ぶべきです。実際に上海で新規開拓として飛込みを行う人は殆どいません。ですから飛込みを行えば必ず結果が出ます。細かいことは考えずにまずは行動が必要です。(2,500字)
それでは上海の日系企業・日本人顧客の新規開拓がんばって下さい。
あなたを必要としている人が必ずいます。
応援してます。
舞草亮
Copyright © 2015 by 舞草亮 All rights reserved