【上海の日系企業を新規開拓する】集客編(知らせる)
~見込み客から問合せがくる情報発信の方法~
・チラシDM(カラーチラシ両面3種類をリストに郵送DMする)
準備したカラーチラシを上海の日系企業に郵送でDMします。
個人名宛で郵送します。1社に複数の人に届いてOKです。白黒でも問題ありませんが、カラー表裏の方が情報が伝わりやすいです。また日系企業ではなく日本人の団体やグループでもOKです。特殊な事情がない限り、一度にリスト全員に発送します(数千人に発送)。
チラシDMのプラスの特徴としては「他社がやらない」「一人に対して一度に複数枚を送れる(1枚だけ送るともったいない)」「カラーで表裏のチラシを配れる(手に取れば十分に内容が伝わる情報サイズ)」「即効性がある」等があります。
またマイナスの特徴としては「リストが必要」「手間がかかる」「出張ベースの人には届きにくい」等があります。
このチラシDMも確実に効果があります。万一、問合せがなかったら「非常に悪い商品」または「非常に悪いチラシ」のどっちかです。根本的な部分の見直しが必要です。
日本ではDMが届いても開封率は低いです(それでもきちんとやれば効果は出ます)。しかし、上海では他社が行わず珍しいので開封率は非常に高いです。感覚的には届けば80%以上の確率でみんなDMを見ています。っていうか届いたのに見ない方がおかしいです。それほど上海は日本と環境が異なり情報が不足しています。
また開封率を上げるために郵便局に怒られない程度で封筒に工夫することをおすすめします(例、封筒に印刷されている自社の名前をひらがなで表示など)。また問合せ率を上げるために名刺を同封すると“郵便物”ではなく“人”が届けてくれた感じとなり心的距離が少し近づきます。私はいらない名刺があるときにこの方法をよく使いますが、最初から同封する目的で名刺を作っても有効です。
私の場合、名刺をバージョンアップさせるので古いバージョンの名刺はどんどん要らなくなります。ですから要らない名刺が存在します(名刺はムチャクチャ安いです)。名刺を折り畳み式で作成し、写真や短い言葉で商品がわかる名刺にしています。時間的に説明ができない場合にも有効、スタッフの説明不足を回避(お客さんが他の商品を知らない等の防止)、お客さんから名刺や商品について話してくれるので話の流れがスムーズな状態が作れます。私は名刺を営業ツールにしています。
また、DMを発送するときは一度に全部発送します。その方が手間が省けますし、問合せ対応も一度にこなすことで短期間で人材育成もできます。年間3~4回発送します。毎月だと受け取る側も多すぎる感があり、発送する側も内容変更や発送作業が面倒です。年に1~2回だとその間に取りこぼしているお客さんが多く発生しすぎてしまうので私は年4回をおすすめします。仮に3枚を発送するのであれば1枚は前回と同じ内容、1枚はカラーではなく白黒等でもOKです。
たまに、一度に数千人に発送すると「お客さんが来過ぎるのでは?」と聞かれます。お客さんがいなくて困っているのにおもしろいですよね。結論から言えばそこまで多くは来ません。ただ、費用対効果を考えると非常に元が取れます。また、例えば3,000人の0.5%で15人が問合せてきても会えるのはその半分です。会った後、契約までの流れで非常に忙しくなるかも知れませんが、さばけないほどではありません。社内で協力し合いながら多少残業すればきちんとお客さんの対応が可能です。
もし、困るほどお客さんが多い場合は、一概には言えませんが「価格設定が安過ぎた」可能性が高いです。自社に集客力がある場合は無理に価格を下げる必要はありません。また、普段の集客活動が少な過ぎた可能性もあります。価格設定や普段の集客活動の見直しが必要です。万一、価格も適正でお客さんが来過ぎて対応できないほどであれば次回から人を増やすか、1回の発送部数を減らせば大丈夫です。でも、他社もがんばっているのでそこまで簡単にお客さんが余るほどは問合せがきません。
私の場合は上海でマンスリーマンションの運営をしていた時、常にほぼ満室でした。つまり、毎日のように問合せのお客さんに「満室で部屋がない」状況を説明していました。せっかく問合せしてきてくれたのに毎回断るのはさすがに気がひけて宣伝活動を控えていました。お客さんを一気に集客することができても部屋を一気に増やすことはできませんでした。仕入れのスピードが遅く、販売のスピードについていけなかった課題が残りました。ここでは省略しますが「仕入」「商品開発」など大切な要素は集客以外にもあります。
このチラシDMはリストがあるのが前提になります。それ以外にも発送するには準備としてチラシ作成、封筒準備、住所の貼り付け作業、チラシを封筒に入れる作業、封をする作業等が発生します。チラシの内容やデザインは問合せ率に直接かかわるので自分で行う、またはプロや社内で最も集客を理解している人がやる必要があります。その他の頭を使わない単純労働はできれば安く依頼できるアイさんなどにやってもらうのがベストです。お客さんがいないと具体的に社内スタッフに何を指示すればいいのかわからない場合は、もったいないけど社内の営業スタッフがやるしかありません。
営業スタッフが自らやる時のメリットがもしあるとすると、自分が何時間もかけて行った発送作業に対して「問合せがきたらがんばらないといけない」という感情が入る可能性がある点です。ただ、そういう気持ちにならないスタッフも多いのであまり期待はできません。
私は日本でも中国でも1人同然の部署のときに誰でもできるこの作業を延々と行ったことがありますが「絶対に問合せをとる」「売上につなげる」という強い気持ちになりました。
郵便局にも日系企業のリストがありチラシさえ渡せばその他の作業を代行してくれるサービスがあるようですが信頼性にかけるため私は利用したことがありません。でもリストがなくてもすぐに発送したいときは郵便局に問合せるのも有効かも知れません。
届けば開封率が高いのですが10%くらいは戻ってきます。会社の閉鎖等が主な理由です。10%って言うとかなりの量です。3000人に発送すると300は戻ってきます。戻ってきた封筒は単純作業が得意なスタッフが開封して、中のチラシは訪問等で利用します。次回、同じ会社へ発送しないようにリストのメンテも行います。
ちなみにこのチラシDMに限りませんが、上海では販促費用は非常に安いので直接の経費はあまり気にしません。人件費の方がよっぽど気になります。
何度も言いますが上海では日本のように何でもそろっている状況ではないので、「困っている人」「探している人」「必要としている人」が普通の商品であれば必ずいます。発送すれば100%問合せが来ます。
最後になりますがすごく大切なことをお知らせします。
「やり方を伝えても誰も実際には行動しません。」
集客や中国語勉強も同じですが「知る」と「行動する」にはものすごく大きな壁があります。知っていても誰もやりません。このチラシDMについて、記事を読んでどれくらいの効果があるのか知っても、実際に上海で10回以上行う人は1%以下です。90%以上は1回もやりません。ですからチラシDMを行えば必ず結果が出ます。結果が必要であれば、細かいことは考えずまずは行動が必要です。
それでは上海の日系企業・日本人顧客の新規開拓がんばって下さい。
あなたを必要としている人が必ずいます。
応援してます。
舞草亮
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