【中国現地企業(日系企業in上海との比較)】
① 車を運転していい
日系企業の駐在員は会社の決まりで車の運転が禁止されています。それに対して中国現地企業の社員は自由です。駐在員が中国での車の運転を禁止されている理由は、会社が社員の安全面を考慮しているためです。ただし、仮に会社が許可を出したとしても運転したいと思う日本人は殆どいません。中国では交通事情がメチャクチャで運転するのが怖いからです。ですから車の運転を禁止されていない中国現地企業に勤めている日本人も殆ど車を運転していません。
車の運転は必ずしも必要ではないかもしれませんが、言葉や考え方など中国人が当たり前のようにできることができないと、中国という環境に適応することは難しくなります。中国だけじゃなくどこでもそうだと思います。
私が仕事上で接した韓国領事館の男性は、自分で車を運転するのはもちろん、奥さんも買い物のため浦東から車で古北まで来ていました(混んでなければ車で30分)。日本人以外はけっこう上海で車を運転しています。
私自身は中国に行って確か2ヶ月目には車を運転していました。中国人の社長は仕事の幅が増えるので運転を禁止する理由はどこにもありません。むしろバンバン運転してほしいくらいです。運転手が必要なくなりますから、小さい会社であれば当然です。
毎日のように日本お客さんを乗せて運転しました。2005年当時は非常に試験が簡単でした。日本の免許を持っていれば学科試験と身体検査のみで実地はありませんでした(2014年も)。日本人なら、わざと間違えようとしない限りは誰でも受かる選択問題で、日本語で受験が可能です。
2014年に上海に戻った時には以前の免許がきれていて(6年有効)取りなおしました。同じように学科試験と身体検査のみですが学科が難しくなっていて1回落ちました。1000問の内、100問が出題され90点以上で合格。1回目は87点で不合格、2回目は92点で合格しました。5時間~10時間勉強すれば受かるはずです。2005年と違い「知らないと解けない問題」が多くなっていましたので勉強なしではまず無理です。
ちなみに、2005年当時は保険に入っていない車を運転していました。車以外の保険も含め、保険の考え方が日本ほど進んでいませんでした。今(2015年)では保険も普及してきましたがそれでも日本ほどではありません。2005年当時は「保険も入ってない車で事故に遭ったらどうしよう」と思いましたが社会全体がそれでなりたっていればやるしかありません。今のところ無事故です。駐車違反は1回あります。フロントガラスに貼ってありましたが捨てました。私以外にの同僚たちは事故ってます。もらい事故もあるので避けられない事故もたくさんあります。2015年現在は上海で仕事をしていれば毎日車の事故を見ます。10年前と比べ事故も増えました。私も事故に遭うのは時間の問題です。
よく駐在員の人から「車の運転こわくないですか?」と聞かれます。この言葉は「そういう環境で仕事や生活をしていることに気づいていない」ことを意味しているケースが殆どです。
我々日本人の感覚では中国での車の運転はルールがなく、非常に乱暴な運転で危ないと感じるはずです。しかし、目に見える分わかりやすいです。仕事や生活環境も同じようにルールがなく乱暴です。ですが目に見えないので、そのことになかなか気がつきません。
交通事情でルールがないなら仕事や生活でもルールがないのは当然です。しかし、交通事情を見ただけで、「自分自身の仕事や生活環境も同じだろう」と理解し、心の準備や仕事の準備ができる人はまれです。中国現地企業で仕事をすると仕事上でルールがないこともよく見えます(特にお金の面)。
私は上海で車の運転を始めた時に「ルールがないのがルール」と認識しました。車の運転に関しては見るのと実際にやるのでは全く違います。車を運転することを通じて中国の文化を学べることもたくさんあります。中国現地企業の社員や、自分で起業した人なら自分の意志で可能です。レンタカーで好きな場所へ出かけるとか楽しみも増えます。日系企業の駐在員にはない自由が中国ローカル企業にはあります。
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