【上海で仕事している人ってどんな人?】
~日系企業の駐在員について~
上海で仕事をしている人の圧倒的多数(9割以上)は日系企業の駐在員です(※私は違います)。
では駐在員とはどのような人なのでしょうか?
駐在員とは、日本の会社から転勤で上海に来て仕事をし、数年で日本に戻る人のことです。
上海に来る前にいちおう任期があります。任期はよく延長になるので、実際にいつ日本に戻るかは会社の判断となります。2005年頃だと平均約3年間でしたが2015年現在では平均約4~5年間で日本に戻ります(帰任)。ですから自分の意志で上海に来る人はいません。会社が決めます。もちろんもっと長い人もいます。
中国語に関しては2005年と比べると2016年は少し話せる人が増えました。「上海 駐在員」と聞くと中国語がペラペラで仕事をしているイメージがあるかも知れませんが、大多数の駐在員は中国語をまともに話せません。
中国語を話せなくても日々の仕事はいちおうこなせます。日系企業の駐在員では、中国語を駆使して仕事をしている日本人は殆どいません。日本語を駆使して仕事ができる中国人スタッフを雇っています。
一般的にHSK4級レベルであればがんばっている方です。ただこのレベルでは仕事では殆ど役に立ちません。また、勉強自体を放棄している人も珍しくありません。
また海外に来て「できないことは自分で出来るようにする」という考えはなく、「人にやってもらうのが当たり前」という考えに全く疑問を持たない人が多いです。
普段の生活は、日本人同士のコミュニティーから出ることはなく、日本料理店で食事をし、家に帰っても日本のテレビばかりを見ています。また、車の運転は会社で禁止されています。
中国語もできないので環境理解(社内や市場など)は非常に少ないです。ですので例え通訳がいても自分自身が環境を理解していないので望む結果が出せる企業は非常に少ないです。たいていが自分が理解していないのに中国人スタッフには理解させようとしてうまくいきません。努力をせずに「なにかいい方法ないかな」と本気で考えています。
また、自分の意志とは別に会社の指示で上海に来ているため家賃は会社が払います。会社の方針やスタンスにもよりますが月1万元~2万元(≒20万円~40万円)が6割くらいです。家賃が月2万元を超えると高め、1万元をきると低めのイメージです。役職や家族の人数にもよります。家賃とは別ですが、会社によっては上海への赴任を単身赴任しか認めない会社もあります。そのような会社では家族と一緒に生活する、しないの選択肢が本人にはないということです。
その他の赴任手当、帰国手当、ビザ手当、保険等の福利厚生も日系企業なら非常に整っていて安心です。そういう意味では日系企業であればある程度、日本のルールが通り、ローカル企業に比べ環境的には落ち着きます。給料もローカル企業に比べ一般的にはずっと上です。
ただ、私のように「中国語を身につけたい」「中国人の考え方や文化を体で覚えたい」「異文化コミュニケーション能力を高めたい」「環境が整っていない場所で個の能力を鍛えたい」「長く中国でがんばりたい」等の人には日系企業はまず向きません。日系企業は環境的に守られている部分が多いため、学べることも少なくなります。
もし、私のような人がいれば中国現地の会社に勤めることをおススメします。私もそこからスタートしました。私は待遇のいい日系企業を最初から選びませんでした。
中国現地企業(アウェイの環境)で結果を出すのは簡単ではありません。しかし、もしその難しい環境に適応できれば日系企業の中では経験できないことを短期間で経験し身に付けることが可能です。
「中国語を勉強して将来中国で仕事がしたい」と思っても自分で企業しない限り「日系企業」「中国現地企業」という全く異なる2つの環境のうちどちらかを選ぶしかありません。
どちらを選んでもメリット、デメリットはあります。
あなたはどちらを目指しますか?
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