【中国現地企業(日系企業in上海との比較)】
③ 社内だけでもチャンスが多い
これは表面的には非常によいことのように聞こえます。しかし、日本のように与えられる環境に慣れている人にはストレスになります。挑戦する人のみがチャンスと感じます。この状況は中国現地企業ではすごく多いです。
「ルールがない」「給料や勤務時間が決まってない」「仕事を教えてくれない」「環境が整っていない」「運転手がいない」「通訳がいない」「お客さんに見せる資料やサイトすらない」「お客さんが来ない」等、全てチャンスです。
「ルールがないから自分で好きなように工夫できる」「給料が決まってないから社長と交渉できる(歩合や休日や時間など)」「会社にプラスになれば自分で考えて勝手に行動していい」「環境を良くする提案ができる。難しい状況でも結果を出す練習になる。」「自分で運転できる」「自分が通訳になれる」「お客さんに提案する資料を自分で考えてゼロから作る能力が身に付く」「集客を学べる」等、全て考え方次第です。個の能力を上げるには中国現地企業は非常によい環境です。
中国現地企業では日本のように丁寧に手取り足取り教えてくれることはまずありません。社員教育に関する考えは殆どありません。日本人から見て「会社に能力がない」と思う状況でも、中国人の社長はきっと「能力がない社員」とみなします。ですからその状況を「仕事環境が悪い」と感じる人には中国現地企業は向かないし、「チャンス」と考える人には本当にチャンスです。そのような考え方の人は、逆にルールや会議ばかりの日系企業が向かないかも知れません。
④ 任期がない
中国現地企業の社員は、全員いわゆる“現地採用”となります。現地採用とは中国で採用された社員のことです。現地採用であれば任期がありません。会社の判断で日本に戻る必要はないのです。中国で仕事をするのも、仕事を辞めて日本に戻るのも自分で決めます。ですから長期間、社員として中国でがんばりたいなら現地採用しかありません。中国企業であれば意識しなくても現地採用ですが、日本企業でも現地採用の人材を募集しています。
逆に駐在員の場合は任期があります。日本で採用されて転勤で上海に来ています。上海に来るのも、日本に帰るのも、他の場所に行くのも、会社の判断で決まります。
もちろん私は上海で長くやろうと思っていたので中国での仕事は中国現地企業、いわゆる“現地採用”からスタートしました。
⑤社員の副業を気にしない
日系企業では副業を禁止している会社が殆どです。しかし、中国現地企業は副業を全く気にしません。むしろ社員個人が持っているビジネス資源を会社でも利用してほしいと考えます。そもそも勤務時間外に関して無関心ですし、仮に副業禁止としても中国人の社員なら誰も言うことを聞かないでしょう。ですから、ビザ等の関係で法律的にOKかどうかは別として、日本のように「会社にばれないように」と気を使う必要はありません。普通に社内で話をしても気にする人はいません。
私の場合は過去に「なんで日本はダメなの?」と中国人社長(当時の上司)に聞かれたこともあります。
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