【普通の営業マンがスーパー営業マンになった~中国現地企業~】
中国ローカル企業で仕事をする日本人は仕事のレベルが低いです。全員ではありませんが極端に多いです。ですから日本で普通に仕事ができている人が中国で仕事をすれば相対的にすごいレベルが高い人材になります。「仕事」が高いレベルで、かつ、「中国」でがんばりたい人はあまりいません。「仕事」「中国」どちらかならたくさんいますが、両方は殆どいません。
中国ローカル企業で仕事をする人の特徴としては「仕事」が目的ではなく「中国」が目的となっている人が多いです。それはそれでいいのですが、「やりたい仕事があるわけではないんだけど、何となく中国にいたい人」の場合、仕事のレベルは低いです。ただし、中国の仕事環境や生活には合います。ということは、一般的に日本の仕事環境は、他の人と比べ合わないということになります。
逆に日本で「仕事」ができる人は「中国」が合いません。合わない上にもともと「中国」に来なくても日本国内でもっと給料の高い仕事がいくらでもあります。生活環境も仕事環境も日本人であれが多くの人が中国より日本の方が合います。あたり前ですが、言葉の問題も文化の問題もなく、治安もいいし、非常に安定しています。ですから中国に来る理由は何もありません。そういう意味では会社の判断で上海に来ている駐在員の人達が中国の環境に馴染めないのも当然と言えます。
しかし、このような状況は「仕事」が普通レベルで、「中国」でがんばりたい人にとってチャンスです。そういう人って少ないですから。現状は、日本で仕事ができる人は中国に馴染めず、中国に馴染んでいる人は仕事ができない状況です(ざっくり言うと)。
私の場合、2005年に上海に来る前、日本で不動産の売買仲介の営業マンをしていました。成績は中の上くらいでした。すごい営業マンではないけれども平均は超えていました。しかし、上海にきてローカル企業に勤めるとスーパー営業マンになれました。日本では私より営業ができる人はいくらでもいました。しかし、上海にはいませんでした。実際にはいたはずです。しかし、日常接する様々な業種の営業マンのレベルが日本と比べ低すぎました。営業に限らず他の業種も含めて同じです。日本で仕事が並以上にできる人は、中国に来る理由がありません(低いレベルの人も理由はありませんが)。「中国」が好きじゃないと中国には来ません。
私は、上海で日本企業を開拓するために営業を行いました。日系企業の駐在員や出張者にマンションを紹介する仕事です。新聞広告からの反響対応、チラシを作って日本料理店に置いて反響対応、既存客からの紹介、電話してアポ取って訪問、日本企業がたくさん入っているビル(国際貿易センターなど)へ1社1社飛び込みを行いました。日本でいえば普通の営業であり、基本です。でも、上海では基本ができている人が非常に少ないです。やり方は誰でも聞いたことがあり知ってはいても、行動に移せる営業マンが日本と比べ少なかったのです(2015年現在でも少ない)。というか集客やマーケティングについても誰も知らず、ほんの少し知っているだけでスーパーマーケターになれます(例えばリストの概念とか)。
車の運転の方がもっとイメージしやすいかも知れません。日本では誰でもできる車の運転。「中国」に来て車を運転した瞬間に上海でNo1の日本人運転手となりました。実際にはわかりませんが誰もいなかったのでそう感じました。日本で“普通”のことが中国では“すごい”こととなります。
「車の運転」や普通の「営業」を「中国」で行うと高いレベルとなり、非常に希少な人材となります。2015年現在でもほぼ同じです。
ただ、さりげなく書きましたが「仕事」以上に「中国」に適応することの方が多くの日本人いとっては難しいことです。まじめな日本人であればあるほど難しくなります(※ちゃらんぽらんの方が適応しやすい)。それ以前に「中国」に来て、ちゃんと「仕事」したい日本人殆どいない。目標があったり、やりがいを感じて難しい環境に挑戦したい人じゃないと「中国」「仕事」両方をクリアするのは困難。そのような人にとっては中国ローカル企業はチャンスであり、スーパー営業マンやスーパー○○にすぐになれます。
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