<部下の現状>
まず育成とかシステムと言う前に現状の確認です。皆さんは上司の方ですから部下の方がいると思います。私が今日、「営業部長」と言ったら営業マンの部下を持つ皆さんのことを言っていると思って下さい。実際には総経理だったり部長や課長、または現在は営業で今後、管理職になるような方がいらっしゃると思いますが今日は説明上「営業部長」と呼ばせて頂きます。
まず、皆さんの部下がどういう方なのかです。極論みたいになり失礼な言い方になってしまうかも知れません。例えば、通訳の方を雇うとき、日本語が話せない通訳の方を雇いますか?当然、雇わないですよね。で、ですねえ、営業に関してはですね、日本語ができない通訳の方を雇っているのと同じだと思って下さい。つまり、営業マンといっても営業が全くできません。
仮に日本語がペラペラの中国人の部下の方を雇ったとします。一般的に営業マンを雇ったと言うのは、この場合、語学能力はあるけど営業能力はない方を雇ってることになります。言葉はできますが営業はできません。営業は特殊能力になりますので誰かが教えないとできるようにはなりません。これが大前提です。ここを間違っていると次に進みません。「なんでできないんだ」「営業なんだからこのくらいできてもいいじゃないか」と永遠にその状態が続きます。これは上司が必ず部下の営業能力を高めてあげないといけないんですね。これが育成ということになります。私もやりました。
さっき言ったように私は20代の頃営業を始めて全然売れませんでした。特殊能力がなかったんですね。反対にとなりにいる普通のおじさんみたいな人が売ってくるんですね。なんでなのかなあと思いますよね。特殊能力があったんですね。でも、その頃の私には見えなかったんですね。そこで、どうすれば売れるのかというのをいろいろ勉強して100人くらいいる不動産会社で1番になりました。けっこう1番になるのは難しいですよ。努力もしないといけないですから。
では、部下の方が営業を身に付けるのがどのくらい難しいのかということですが、これ、もちろん何年もかかります。皆さんが営業を身に付けたのは当然1年ではないです。人と話したり、商品知識だったり覚えるのに時間かかります。それではこれがどのくらい難しいのか。日本の駐在員の方、一般的に営業がある程度できて力があります。仮に「中国語で営業してこい」と言われたらどうでしょうか?何年もかかるのイメージできますよね。部下の方を営業できるようにするのはこれよりも難しいですからね。営業力をつけるっていうのは。日本語ペラペラの中国の方、たくさんいます。日系企業の社員の方、みんなペラペラですよね。でも営業ができる中国の方は非常に少ないです。まずこれがわかっていないと次には進まないです。1年たっても10年たっても同じ状況が続きます。みなさんの部下の方は、みなさんが指導されているので優秀だとは思いますが、このくらいはっきり考えてもらった方が、目の前にある現実をですね、絶対に数字作ってきませんので、新しいお客さんを新規開拓してきませんので、それも入社したばっかりでは。これほど厳しいことをやらなくちゃいけないんだと言うのが大前提になります。よろしいでしょうか。